ニューヨーク・タイムズ紙「2023年に行くべき52カ所」に「盛岡市」が選ばれました!!

ページ番号(hao)1061603  更新日(ri) 令和5年11月(yue)2日(ri)

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 2023年(nian)1月12日にアメリカのThe New York Times(ニューヨーク・タイムズ)が「52 Places to Go in 2023 (2023年(nian)に行くべき52か所)」を発表し、イギリスの首都(dou)ロンドンに続く2番目に盛岡市が紹介(jie)されました!

 今回の記事では、盛(sheng)岡市を「歩(bu)いて回れる宝石(shi)的スポット」と高評価(jia)。東(dong)京から新幹線(xian)で数時間で行(xing)ける便利さ、大正時代に建てられた和洋折衷の建築美(mei)の建造物、盛(sheng)岡城跡公園、「NAGASAWA COFFEE」「東(dong)家」「BOOKNERD」「開運橋のジョニー」などが紹介されています。

クレイグ・モドさんが、盛岡推薦の背景を綴ったニュースレター

クレイグ・モドさんが、盛岡を推薦した詳しい背景などを綴ったニュースレターを紹介します。(モドさんのご了承を得て、和訳を掲載しています。)

盛岡でのひととき

盛岡に行き記事を書いただけなのに、身に余る多幸(xing)感に包まれた。

 

 盛岡。なんてこった。

 この1か月は、僕(pu)にとって、予(yu)想だにしない月となった。高揚感(gan)(gan)に包まれ、ときには疲労感(gan)(gan)に襲われ、とはいえ、基本(ben)的にはエネルギーが沸いてくる刺激的な日々だった。

 何の話(hua)かはNYタイムズの記事(shi)を読んでもらえばと思うが、僕のニュースレターの読者の皆さんには、より詳しい裏話(hua)をお伝えしたい。(これと合(he)わせて写真(zhen)満載のサイトRidgelineに盛岡の人(ren)たちを取(qu)り上(shang)げているので、見てほしい。)

 タイムズの記(ji)事の冒頭はこんな感じだ。

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 NYタイムズ紙の旅行部門のデスクが「2023年に行くべき52か所」の候補(bu)地推薦の募集を開始すると発表(biao)したとき、僕の頭にはすぐさま日本の盛岡市が浮(fu)かんだ。

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 僕(pu)が初(chu)めて盛岡を訪(fang)れたのは、2021年の春(chun)、しかも午後の時間帯だけだった。

が、この盛(sheng)岡市という街(jie)は、衝撃(ji)的だった。思いがけなく生き生きとした街(jie)で(「東北地方」から想起(qi)されるイメージからするとなおさら)、川や山々の自(zi)然が、散策にぴったりな街(jie)中の景色に美しく溶け込んでいる。おいしいスコーンやコーヒーもある。最高の街(jie)じゃないか。

 その年の後半、僕(pu)は全国10か所の中(zhong)規模の街の床屋さんと郵(you)便局を歩いて回るプロジェクトを行(xing)ったのだが、盛岡は絶対に行(xing)くと決めていた。果(guo)たして僕(pu)は盛岡を再訪し3泊4日を過ごし、ますますここが気(qi)に入った。街が若(ruo)い人たちの活気(qi)で溢(yi)れているのに感激した。40歳未満の人たちの店(dian)がとても多いのだ。誰(shui)と話してもみな親切で、よそから来た人を受(shou)入れる雰囲気(qi)に溢(yi)れている。さらに、ほんの数日の滞(zhi)在にも関わらず、世代(dai)(dai)を超えて受(shou)け継がれている店(dian)を多く目にし、かなり驚いた。親子、祖父母と孫、さらにはひ孫の世代(dai)(dai)までが、一緒に店(dian)を経営している(18代(dai)(dai)続いているという工(gong)房(fang)もあった)。親世代(dai)(dai)から、奪い取らんばかりに店(dian)を継ぐ子ども世代(dai)(dai)もいる。

 そんなわけで、2022年10月に、タイムズの編集者が「行くべき52か所」の推薦依(yi)頼(lai)をしてきたとき、僕の心は決まっていた。盛(sheng)岡。それ以(yi)外あり得(de)ない。とはいえ、タイムズは何(he)百人にも及ぶライターたちに同じ依(yi)頼(lai)をしている。仮に盛(sheng)岡が52か所入りを果(guo)たしたとしても、まあ、リストの下の方に掲(jie)載がいいところかもしれない。僕の推薦文は当選しないだろうなと決め込んで、しばらくこのことは考えないでいた。

 そして1月、「2023年に行くべき52か所」が発表(biao)された。

 1番目(mu)に行くべきところは、ロンドンだった。

 そして2番目にはなんと、盛岡が。

 僕は編集デスクのステファン・ヒルナー氏に、このリストは順位(wei)なのか聞いてみた。「#2」はどういう意(yi)味か?掲(jie)載順はどのような考えで決(jue)まるのか?

 ステファン氏(shi)はこう回答をくれた。

「ナンバーは、厳密には、順位を意図したものではありません。ただし、リストの中で、どこを上位に表示するかについては、熟(shu)慮しています。」

 ステファン氏はメールでこう続ける。

「今(jin)年(nian)(nian)の52選は、なぜ旅(lv)をするのかを焦(jiao)点にとりまとめています。ロンドンがトップに掲(jie)載されているのは、今(jin)年(nian)(nian)チャールズ国王の戴冠式があるなど、行くべき旅(lv)行先として時宜を得ているためです。ロンドンは、特に今(jin)年(nian)(nian)は、歴史(shi)を学ぶと共に歴史(shi)の一(yi)幕に自ら参加することができる街だからです。

 盛岡に関しては、以前紀(ji)伊半島の美しいエッセイを書いたクレイグ・モドさんによる推薦だったことが大きいです。盛岡を選(xuan)んだ理(li)由(you)を一(yi)番分かりやすく答えるなら、モドさんのこの説明に尽きるでしょう。

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盛岡市、日本

 東京から新幹線ですぐ行ける、人(ren)混みなく歩いて回れる宝石的スポット。

 昨年10月まで、日本は主要国の中で最も厳しい渡航制(zhi)限を継続(xu)していた。今、東(dong)京、京都、大阪といった人気観(guan)光地に旅行者が戻り始(shi)めている。

 しかし、岩手県の盛(sheng)(sheng)岡市(shi)(shi)は、たいていは通過され、見(jian)過ごされてきた。山々に囲まれた盛(sheng)(sheng)岡市(shi)(shi)は、日(ri)本の高速鉄(tie)道新幹線で東京から北へ数(shu)時間(jian)。市(shi)(shi)街(jie)地は街(jie)歩きにとても適している。大(da)正時代に建てられた西洋(yang)と東洋(yang)の建築美が融合した建造物(wu)、近代的(de)(de)なホテル、歴史(shi)を感じさせる旅館(伝統(tong)的(de)(de)な宿泊施設)、蛇行して流れる川などの素(su)材にあふれる。城跡が公園となっているのも魅力のひとつだ。

 また、日(ri)本のコーヒーのサードウェーブのひとつである「NAGASAWA COFFEE」をはじめ、素(su)晴らしいコーヒー店もある。「NAGASAWA COFFEE」では、オーナーの長澤一浩氏が自ら輸(shu)入・修理したドイツ製のビンテージ焙煎機「プロバット」を使用するほど豆(dou)にこだわる。東家は小さなお椀(wan)に盛られたわんこそばが食べ放題。「BOOKNERD」では日(ri)本の年代物のアートブックを販(fan)売。そして40年以上(shang)の歴史を持(chi)つジャズ喫茶ジョニー。車で西に1時間(jian)も行けば、田(tian)沢湖や世界有数の温泉が多(duo)数ある。                     

クレイグ・モド

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 これを読んだら、そんないいところなら是非行ってみたいと思いますよ!

 また、日本が主要国中最も厳しい水際措(cuo)置(zhi)を継続(xu)していたこと、旅行者は東京(jing)、大阪(ban)、京(jing)都のような有名な観光地のことは既に知(zhi)(zhi)っていることを考(kao)慮すると、盛岡を選べば読者にとっては嬉しい驚きとなるでしょうし、日本でまだ知(zhi)(zhi)られていないところを知(zhi)(zhi)り、評価することにもつながると思いました。

 リストのかなり上位に掲(jie)載(zai)した理由(you)については、アンドリュー・フォークさん(訳注(zhu))の動画もモドさんの盛(sheng)岡の描(miao)写も素晴らしかったし、読者の皆さんはとりわけ今日本に大変な関心を寄せているので、トップに限りなく近(jin)い位置に掲(jie)載(zai)するのが理に適(shi)っていると考えたためです。」

 訳注(zhu):東京在住の写真(zhen)家で、盛(sheng)岡(gang)推(tui)薦記事の背景の盛(sheng)岡(gang)城(cheng)跡公園のショート動(dong)画を撮影(ying)。

 というわけだ。盛岡は、2023年の2番目となった。

 「2023年に行くべき52か所」は金(jin)曜日(ri)に発(fa)表された。次の火曜日(ri)には、僕は日(ri)本(ben)で人気(qi)の朝(chao)の情報(bao)番組「スッキリ」に出演していた。日(ri)本(ben)のメディアは僕が何(he)者かを突(tu)き止め、しかも日(ri)本(ben)語ができると分(fen)かると、インタビューの依頼が続々と舞(wu)い込んできた。いくつかで終(zhong)わるだろうと思っていたが、結局(ju)、すべてのキー局(ju)、主要紙のほか、雑誌も含め、20回近くに応じることとなった。

 僕は日(ri)(ri)本に暮らしてこのかたテレビを所有したことがない。居酒(jiu)屋でついているテレビを除くと、テレビ番組自(zi)体を見ない。そんなわけで、各インタビューがどのくらいの視聴者に見られるのか想(xiang)像もつかない。インタビューは、自(zi)宅からのこともあったし、都内のホテルで受(shou)(shou)けたこともあった(ほとんどのインタビューはトーキョーウォークプロジェクトの最中だったから、辺鄙な公園をうろついているときに毎日(ri)(ri)新(xin)聞社から取(qu)材の電話が入ってきたりした)。TBSのスタッフがホテルの部屋にやってきて、ベッドと棚の間に無理矢理体を押し込んで取(qu)材機器をセットし、僕は、追い詰められた動物さながら部屋の隅っこに収まって取(qu)材を受(shou)(shou)ける。日(ri)(ri)テレ本社に出(chu)向いてスタジオでインタビューを受(shou)(shou)ける。雑誌やテレビの取(qu)材陣(zhen)は、盛岡(gang)(gang)に乗(cheng)り込んで現地の様子(zi)を伝える。盛岡(gang)(gang)の空をドローンが飛ぶ。僕が記事で触れた店の店主や客(ke)にインタビューする。強(qiang)烈な反響だった。毎回毎回、うんざりするほど繰り返される同じ質(zhi)問は、なぜ?どうして?なんでまた盛岡(gang)(gang)を選んだのですか?!

 読者(zhe)の皆さんはおわかりのとおり、僕は歩(bu)くプロジェクトをこなし、田(tian)舎道(dao)からニュースレターを配信する。市井の人々について語(yu)るのが好(hao)きだし、京都の銀(yin)閣寺に行ったり伏見稲荷神社(she)で自撮りしたりするより、家族(zu)経営の素朴な店を訪れたい。僕の関心事は、人々の暮らしの中にある。よい人生に必(bi)要なものは何か?いかにして何気ない日常の中に豊かさを見いだすか?という根本的(de)な問いへの答(da)えを探し続けているからだ。色んな人たちと話すことで、その答(da)えが確固たるものになっていく。探す努(nu)力をすれば、答(da)えはそこここに溢れている。

 読者の皆さんは、盛岡のような中規模の街に僕が夢中になることに別に驚かないと思う。盛岡は、僕が街に求める基本的な要素を持(chi)っている。善良(liang)な人たちが、生き生きと暮(mu)らしているということだ。

 とはいえ、盛(sheng)岡が2番(fan)目(mu)に紹介され、僕(pu)には二つ気がかりなことがあった。

 マズイ!この騒(sao)ぎのせいで盛岡の人たちに迷惑がかかってないだろうか。

 でも待てよ。これは意味のある反響と捉えるべきかもしれない。盛岡だけでなく、少子化が進む日本のすべての中規模の街(jie)にとって。だとしたら、マスコミに一過性の話題として使い捨てにさせるものか。

 だからこそ僕は、すべてのインタビューに応じることにした。ものすごい労力(li)を要した。トーキョーウォークプロジェクトを終える頃には、長距離を歩き切り、A4にして50ページ以上(shang)の記事を書き、52選のインタビューを受け続けた僕は、すっかり抜け殻と化(hua)していた。疲労のあまり気力(li)を喪失した。水曜(yao)日には、歩き終わり、長時間の取(qu)(qu)材(cai)を二つ終えたら(しかも一つ目(mu)の取(qu)(qu)材(cai)クルーは、開始から30分経(jing)つまで録(lu)画の押し忘れに気づかなかった)、声が出(chu)なくなった。まるで、声を出(chu)す能力(li)が消えてしまったようだった。力(li)尽(jin)(jin)きて、ソファで丸(wan)くなることしかできなかった。取(qu)(qu)材(cai)とウォークプロジェクトで精根尽(jin)(jin)き果てた。

 このしんどい取材(cai)攻勢を乗(cheng)り切れたのは、僕の一(yi)存で突然に盛岡(gang)を注目(mu)の的にしてしまったことに、大きな責任を感じていたからだ。皆(jie)にしっかり理解してほしかった。僕はこの目(mu)で多くを見(jian)てきた。全国津々浦々何千(qian)キロも旅して、何十か所もの(百を超(chao)えてるかも)市、町、村を見(jian)てきた。農家や機械工、畳職(zhi)人、喫茶店店主、料理人、競馬(ma)で生計を立てている人、庭師、医(yi)師、トラック運転手まで、何百人もの人たちと会って対話をしてきた。だから、皆(jie)さん、どうか盛岡(gang)のリスト入りを、一(yi)過(guo)性の話題で済ませないでほしい。絶(jue)対にそうさせない!千(qian)載一(yi)遇のチャンスなのだ。盛岡(gang)は、気(qi)まぐれで選ばれたのでもなければ、くじ引きで選ばれたのでもない。盛岡(gang)は、本当の意味で、あのロンドンと並んで評(ping)されるに値する街(jie)だ。盛岡(gang)にしかない価値によって。

 地(di)方の人(ren)(ren)口(kou)減少が進み、若者が大(da)(da)都市に流出する中(zhong)、盛岡のような中(zhong)規(gui)模の市(盛岡は人(ren)(ren)口(kou)30万程度(du))こそが第2の可(ke)能(neng)性を提供してくれる。北米(mi)に例(li)えるなら、盛岡がNYタイムズのリストで2番目に選(xuan)ばれるということは、雲の彼方から神の御手が舞(wu)い降り、「2023年世界で最(zui)も重要な都市」として、ノースカロライナ州のアシュビルを選(xuan)び賜う、というようなこと。日(ri)本(ben)(ben)では、NYタイムズは政治的(de)に無色(se)のイメージで捉えられている。絶大(da)(da)な信(xin)頼(lai)度(du)(最(zui)高の信(xin)頼(lai)度(du)が近いか)を誇る、国際(ji)報道の拠りどころ的(de)存在だ。タイムズの影響(xiang)力が過大(da)(da)評(ping)価されているのはやや不安を覚えるところだけど。これは天地(di)を揺るがす一(yi)大(da)(da)事なのだ(アメリカ人(ren)(ren)の僕は忘れがちだが、タイムズは日(ri)本(ben)(ben)社会でこれほどにも影響(xiang)力がある)。

 アメリカ南(nan)部の芸術(shu)家(jia)(jia)が、遠く離れたニューヨークに行くよりアシュビルを選ぶのと同じで、盛岡(gang)にも似た空気がある。デザイナー、建築(zhu)家(jia)(jia)、ミュージシャン、工(gong)芸家(jia)(jia)、シェフ、それにコーヒー愛好家(jia)(jia)たちが活(huo)き活(huo)きと暮らすコミュニティーがある。NYタイムズに寄稿した続(xu)報では、この街が未来に向(xiang)かうエネルギーに光を当てようと思った。

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盛岡(gang)では世代を超えて店が受け継がれている。100年(nian)(nian)(nian)近く続く理容(rong)ヒラサワは、父子が並んでハサミを持つ。ティーハウスリーベは、児山チヨコさんと息子のリョウイチさんが経営。別(bie)の喫茶店、クラムボン(盛岡(gang)市民はよほどコーヒー好きのようだ)は、1976年(nian)(nian)(nian)に高橋正明さんが創業(ye)し、今は娘(niang)の真菜さん(39歳)が経営している。2019年(nian)(nian)(nian)に正明さんがガンで他界した後、店を継いだ。真菜さんは話す。「30年(nian)(nian)(nian)後、またいらしてください。多分、おばあちゃんになった私が奥で豆(dou)を焙煎してますよ。」

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 盛岡を選(xuan)んだ理由の話(hua)に戻ろう。これまで僕が歩いて回った数(shu)(shu)多(duo)くの地域を思い出してみる。活気がない街(jie)、継承(cheng)者がいない街(jie)。高(gao)齢(ling)化が進み、夫婦が持つ子どもの数(shu)(shu)が減り、その頼りの子どもたちもチャンスが多(duo)い都会にすぐに出て行(xing)ってしまい、まさに存亡(wang)の危機(ji)にある街(jie)の数(shu)(shu)々。でも盛岡は違(wei)っていた。

 2週(zhou)間前、僕は盛岡を再訪した。行(xing)かずにはいられなかった。マスコミの大騒(sao)ぎの最中、店主のみんなとインスタ経由のやりとりを通じてすっかり仲良(liang)くなっていた(街(jie)の床屋さん企画で盛岡に来(lai)たときは、早坂さん、長(chang)澤さんとちょっと会話したけど、東家の馬(ma)場さんとは話せていなかった。)。何度もメールをやり取りした。みんなわくわくしていた。一(yi)体(ti)この騒(sao)ぎはどこまで大きくなるんだろう?ポジティブで前向きな雰囲気を感じる。早くみんなの店に行(xing)って直接(jie)様子を聞きたかった(何より、みんなが迷惑(huo)していないか確かめたかった)。

 日本の公共放(fang)送NHKが、なんと僕の盛岡再訪を主要ニュースで伝(yun)える。市(shi)長との懇(ken)談に招かれる。さらに県知事との懇(ken)談にも。(注記:盛岡市(shi)から旅(lv)費提供(gong)の申し出をいただいたが、固辞させてもらった。今回の滞在は専ら自腹だ。)

 街中(zhong)を歩(bu)くと、通りすがりの人(ren)(ren)たちが僕(pu)(pu)(pu)を認めて目を丸(wan)くする(この1か月の露出(chu)で、1千万人(ren)(ren)くらいの人(ren)(ren)が僕(pu)(pu)(pu)の顔(yan)を見たんじゃないか)。車を止めて、窓の向こうから「クレイグさん、ありがとう!」と声(sheng)をかけてくれる人(ren)(ren)がいる。「あーっ、あの人(ren)(ren)ですね!」と雪道(dao)をずんずん歩(bu)きながら、興(xing)奮した声(sheng)を出(chu)す人(ren)(ren)もいる。信号待ちで目が合(he)うと、おじぎをしてくれる人(ren)(ren)もいる。NYタイムズの続報で書(shu)いたとおり、僕(pu)(pu)(pu)が「あのNYタイムズの記事を書(shu)いた人(ren)(ren)」だと気づいて、友達が食べていたチーズケーキをくれようとしたおじいさんもいる。みんなが僕(pu)(pu)(pu)と写真(zhen)を撮(cuo)りたがった。70代のご婦(fu)人(ren)(ren)たちのグループや、「クレイグもどき」と書(shu)かれた上着(zhe)を着(zhe)た男(nan)性と写真(zhen)に収(shou)まった。この男(nan)性は、自分が僕(pu)(pu)(pu)に似(si)ているとかで、僕(pu)(pu)(pu)の名(ming)前をもじってそれを着(zhe)ているそうだ。自称パパラッチのとある隠居老人(ren)(ren)は、Canonのデジタル一眼レフとズームレンズを手(shou)に、僕(pu)(pu)(pu)が行く先々で出(chu)没(mei)しては写真(zhen)を撮(cuo)りまくった。まるで映(ying)画トゥルーマン・ショーの主人(ren)(ren)公(gong)の気分だった。

 市(shi)長との懇(ken)談は、関係者限(xian)りの行事かと思っていた。甘(gan)かった。市(shi)役所(suo)に着くと会(hui)場はマスコミですし詰(jie)めだった。30人はいただろうか。僕が入場すると、皆立ち上がり拍(pai)手で迎(ying)えた。一眼レフのシャッター音が、ドラムの連(lian)打さながらに響き渡る。ああ、ちゃんとスーツを着てきて本当によかった。市(shi)長と軽く懇(ken)談し、握手をする。すると、市(shi)長は退(tui)席してしまった。僕はひとり取り残(can)され、大(da)勢のマスコミ対応(ying)を自力でこなす羽目になった。(聞いてないよ!!)マイクが設置され、記者が次(ci)々に手を挙げて質(zhi)問(wen)を浴びせる。なぜ?どうして?なんでまた盛岡を選んだのですか?!

あなた方の街が美しいからです。
食事がとてもおいしいからです。
市民が心優しく、がんばっているからです。
自然が街に溶け込むさまに、晴れやかな気分になるからです。
何度も何度も繰り返した。
このような街を創り上げてくれたことに、感謝します。
あなた方の街を歩かせてもらえて、私は幸せ者です。
あなたがたの街に、目に入るものに、そして街中から感じるこの街の根幹を成すものに、私は癒やされます。
このような街(jie)を創り上げてくれて、そこに私を招いてくれて、ありがとうございます。

 こんな感じで、4日間の非現(xian)実(shi)的な日々を盛(sheng)岡で過ごした。

 僕は、BOOKNERD、NAGASAWA COFFEE、東家のみんなを、開運橋のジョニーへ連れて行った。

ジョニーの店主、照(zhao)井顕さんが、日本のベーシスト、鈴(ling)木勲のレコードをかける。照(zhao)井さんは、1980年代、ジョニーズというレコードレーベルを運営していた。

 照井(jing)さんは忙しく動き回り、あちこちの棚から箱(xiang)を取り出してはオリジナル盤(pan)のレコードの数々をテーブルや僕(pu)たちの膝の上(shang)にまでどんどん放り投げてくる。馬場さん、早(zao)坂さんともに大(da)のレコード愛好家で、どの曲も知(zhi)っていた。照井(jing)さんは、世間(jian)に認めてもらったみたいに思う、と涙ぐんだ。

 行くべき52か所のメンバーが一同に会(hui)する。BOOKNERDと照(zhao)井さんのコラボ企(qi)画が持ち上がる。この先の可能(neng)性で、店内は熱気に包まれていた。照(zhao)井さんのレコードコレクションには、もっと敬意(yi)が表されないと。皆、握手を交わしたり、抱き合ったりする。

 東家(jia)の社長、馬場(chang)さんが後(hou)から教えてくれた。「あんな照井さんを初めて見(jian)たよ。」

 市民(min)ホールのような所(suo)で、ステージ上で意見交(jiao)換する催しにも招待された。50人くらいの集(ji)まりで、皆(jie)ミュージシャンやシェフ、デザイナー、アーティストの人たちだった。色(se)々なテーマについて話し合った。例(li)えば以下のようなテーマだ。

1)国民保険(xian)制度について

2)相続税(shui)(やその他(ta)の税(shui))の大(da)胆な増税(shui)による富の再(zai)分配について

3)柔軟な土(tu)(tu)地利用(yong)のゾーニングについて/ニンビズムがないことで、積極的な土(tu)(tu)地利用(yong)や、生(sheng)活コスト、住宅や店舗の家(jia)賃の引き下げにつながること

4)平和な暮らし全般について(犯罪率の低さ、銃所持の禁(jin)止、麻(ma)薬やドラッグ問(wen)題がないこと)~クリエイティブな活動には心の平穏が必要だからだ。

 若手の起業(ye)家やアーティストがこういったことを自ら考(kao)えて話し合うのを見て、素晴らしいと思った。普段はあまり意識しないが、2023年の今この地(di)球(qiu)上に生きている人間(jian)が本来悩まなくていいようなことにまで、脳(nao)をフル回(hui)転させて色々考(kao)えねばならない人も世の中(zhong)(zhong)(zhong)にはいる。でも日本には、国民(min)健康保険のような当たり前の仕組みがある。盛岡の規(gui)(gui)模の街では、リスクを取ったり、自分で店を始めたりしやすく、街のコミュニティーや文化(hua)の中(zhong)(zhong)(zhong)心の一員になる余裕ができる。こうした小(xiao)規(gui)(gui)模なビジネスの有(you)り様は、森ビルのようなデベロッパーによる東京の巨(ju)大(da)開(kai)発と対極にある。そこには、巨(ju)大(da)な構造(zao)物の中(zhong)(zhong)(zhong)に似たような店ばかりが並び、小(xiao)規(gui)(gui)模事(shi)業(ye)者には手が届(jie)かず、個性のかけらもない。

 盛岡は、盛岡にしかない個性や趣に溢れている。                                                                    

 盛岡(gang)滞在の間、道(dao)行く人(ren)たちや店の経営者と話した。盛岡(gang)が選ばれてうれしいと思っているだろうか?多(duo)(duo)くの人(ren)が肯定した。正確には、多(duo)(duo)くの人(ren)が、すごくうれしいと言ってくれた。でも、恐縮してしまっている人(ren)もいた。

「本(ben)当に?盛岡でいいんですか?こんな場所が?」

 本当にいいのです!

 日(ri)本国内(nei)で、こんなところは盛(sheng)(sheng)岡だけだろうか?盛(sheng)(sheng)岡に似た街はほかにもたくさんあるだろう。強(qiang)固(gu)でしっかりとした社会的(de)基盤(pan)が備(bei)わった街があり、住民が暮らしている。でも盛(sheng)(sheng)岡は、盛(sheng)(sheng)岡にしかない資質によって、根本的(de)に際立っている。

 少なくない数の若い世(shi)代がUターンしてくる。しかも自らの意思で戻ってきている。これはすごいことだ。最近の混(hun)沌(dun)とした世(shi)の中(zhong)において、盛岡のような街を歩いていると実(shi)感するのだ。これを実(shi)現できている街が存在するんだ、と。

 マスコミの大騒ぎもあらかた収束した。やるはずの仕事が全部遅れてしまっている。頭はまだ興奮状態にある。このニュースレターも3週遅れだ。2月には新しいプロジェクトに取(qu)りかかっているはずが、まだ手つかずだ。Kissa by Kissaの日本(ben)語版(ban)の版(ban)元を見(jian)つけなければならない。メールも大量(liang)に届き、返信が追いつかない。返信を待ってる人(ren)たちへあらかじめお詫(cha)びしたい。

 NYタイムズの紙面(mian)に掲載された続報のタイトルは「盛岡(gang)―市民(min)(min)が活き活きと暮(mu)らせる街(jie)」。これを見て、疑(yi)問を感じる人もいるだろう。どこの市町(ding)村だって、住民(min)(min)が活き活きと暮(mu)らしてるんじゃないの?と。でもそれは違う。多くの市町(ding)村が、住民(min)(min)の生活をむしろ惨めにしている。

 盛(sheng)(sheng)岡(gang)に観光客(ke)(ke)が殺(sha)到(dao)するんじゃないか、ということについては、僕はその心(xin)配はないと思(si)っている。京都(dou)のようなテッパン観光地からはやや離れてるし、盛(sheng)(sheng)岡(gang)に行くのは少し手(shou)間がかかるように思(si)えるし(実際(ji)はそうじゃないのだけど)、盛(sheng)(sheng)岡(gang)に来(lai)てみようと思(si)う人は、好奇心(xin)旺盛(sheng)(sheng)で違う体(ti)験をしてみたいタイプだろうから。とはいえ、皮算(suan)用をしてみるとすごいことだ。年(nian)間にほんの3万(wan)人でも観光客(ke)(ke)が増えて、数(shu)百(bai)ドル消費(fei)したとすると、今(jin)後10年(nian)間、1億ドル以(yi)上が流れ込む算(suan)段(duan)となる。東北地方には、訪日客(ke)(ke)のうちほんのわずかしか訪れていない。訪日客(ke)(ke)の消費(fei)先(xian)を東北に持ってこれたなら、すごいインパクトとなる。

 さらにすごいのは、この会員限定のプログラムSPECIAL PROJECTS(以下「SP」という。)のおかげで、今回(hui)の一(yi)件(jian)があるということだ。僕(pu)が盛(sheng)岡(gang)に行ったこと自体(ti)、SPプログラムが僕(pu)のウォーク企画を支えてくれたおかげだ。過去5年間、各地を歩き回(hui)れたのもSPのおかげ。だからNYタイムズの打診を受け、盛(sheng)岡(gang)を熱(re)心に推(tui)薦(jian)(jian)することができたのも、SPの力だ。あの取(qu)材攻勢(shi)の中、何で盛(sheng)岡(gang)なんか推(tui)薦(jian)(jian)しちゃったんだろ、なんてみじんも思(si)わなかった。何度も言っているとおり、盛(sheng)岡(gang)は無作為(wei)に選ばれたのではない。これまで僕(pu)が全(quan)国各地でこなしてきた膨大な量(liang)のパターンマッチングをもとに、盛(sheng)岡(gang)という素晴らしい街に照準が絞られ、この機(ji)会を捉えて公(gong)にした、ということなのだ。

 SP会員の皆さんの長(chang)年(nian)のサポートに心から感謝する。恐らく今回(hui)の一件(jian)は、このプログラムから出た最(zui)大のインパクトのある出来事だと思(si)う。

 また、盛岡の皆さんに感謝したい。全国からの視(shi)線が降(jiang)り注ぐ中で、しなやかに事態を受け止め、僕に感謝をしてくれて(そんな必要ないのに)、親切にしてくれて(特にも馬場さんはこの大反響を乗り切るべく僕を導いてくれた)、そして何より、こんな世界に、可(ke)能(neng)性に溢れた素晴らしい街として存在してくれていることに。

 ニュースレターRidgelineにも、盛岡で出(chu)会った人々を紹介しているので、ぜひそちらもご一(yi)読願う。

 では皆(jie)さん、この冬を元気に乗り切っていこう。季節も変(bian)わり始めて、春は疾風怒濤(tao)のごとくやってくる。

 盛岡(gang)には冬しか泊(bo)まったことがないから、今度はこの夏に行ってみたい。岩手山は、登り甲(jia)斐のある山とみた。

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